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どうして勉強しなくちゃいけないの?
多くの家庭で、こどもから親に投げかけられている質問だと思います。あるときには無言の抵抗として、これを意識させられるときが少なからずあります。
この問いに迷うことなく答えることができて、こどもを納得させることができれば、こんなに楽なことはありません。
これは家庭に限ったことではないでしょうが、自分なりの答えがみつかるまで続いているように感じます。
この本は、そんな悩める保護者に生物学的な観点を取り入れて「勉強しなくちゃならない理由」を解説してくれます。
学校ではタブーとされていることを包み隠さず教えてくれています。
6年前の刊行だから、ガラケー最盛期らしく、少し古いと感じる箇所もあります。
しかし、全体としてはこれからも役立つものだと思います。
「勉強をさせたい」保護者のみなさんの理論武装になれば、とおもい要約してみました。
すべては自由、いいえ、特権をえるため
「自由とは何か」
自由とは、じぶんの思う通りに生きていくということ。
みんながみんな自由にふるまう、完全なる自由は弱肉強食の世界。
腕力のつよいひとが支配する世界。
一人の強者をのぞいて誰もが不自由な世界のこと。
人びとが求めているのは、実は特権だった。
日本でいえば「衣食住が保証されて、教育もしてもらえる、災害時には助けてもらえる。
日本に生まれればその特権はほぼ保証されている。
特権があれば、生命活動において優位になる。
衣食住に困らないのだから、当然と言えば当然だ。
つまりは優先的に子孫繁栄させられる可能性が高まる。
それは、生物として優位に立てるということ。
特権を守るにはどうしたらいいのか?
特権は限られた人だけだからこそ守られている。もし仮に移民を制限なく受け入れていけば、この特権は機能しなくなる。支えられる人が支える人を上回ってしまう可能性があるからだ。
つまり、移民を受け入れていないことで、この特権は守られている。
海外を見てみると、日本ほどのセーフティネットがある国は少ない。
アメリカでさえ、移民を受け入れている。つまり、アメリカに生まれた特権はあまりない、とも言える。
そして、この特権は国力があってこそ!
国力は経済力。つまりは高度な教育が経済を、国を支えている。
そして、国の支えがあるから子孫繁栄できるわけだ。
子孫繁栄、つまりは「異性にモテたい」
それが本能からの欲求になる。
高度な教育が必要なのは性別に関係がない
数十年前、団塊の世代が現役だったころ、男性は高学歴=高収入だった。
そのため、そういう男性は妻子を養うことができ、子供に高度な教育を施すことができた。
そういう男性はモテていたし、女性は経済力のある男性と結婚できれば安泰だった。
ところが、
バブルが崩壊し、終身雇用も崩れた。
男性の収入だけでは不安になってしまう時代になった。
女性も社会進出するようになり、自立できるようになってきた。
男性は経済力のある女性を選ぶようになってきたし、女性は自立できるから恋愛も結婚もしないという選択肢を持つようになった。
現在、
男性は自立できる経済力のある高学歴の女性を求める傾向にあるし、
女性は、自立できる人が自由に選んで生きられるという状況になってきた。
数十年前までは、女の子はかわいければよく、勉強なんてできなくてもいい、と言われる傾向にあったけど、かわいいだけでは選ばれない可能性も高くなってきたようだ。
結局のところ、
男子はモテたかったら勉強は必須だし、
女子は一人で生きていける強さのために勉強が必要。それが、自由恋愛できる可能性につながる。
まとめ
生物である人間は特権を求めていること、
それが子孫繁栄につながっていること、
異性にモテたい!という本能のためには、
勉強が必須であること、
それは男女問わずであること。
などがかかれていた。
ほかに自由競争と共産主義的思想についても書かれていて、たいへん興味深く、わたしも息子の部活動で感じていたことだったので、とても共感した。
親目線でいけば、勉強する、させるのは当たり前なんだと自信を持って言えそうだ。
この本の内容を心に留め、保護者それぞれができる教育を子供たちにしていくべきであることは腑に落ちた。
ただ、これを直接むすめに説明しても響くとは思えない。すでに負け癖がついてきているせいもあるけれど、「恋愛したかったら勉強しなさい」と言ったら、「べつに恋愛なんてしなくていい」と返ってきそう。
そうすると「自立するために勉強しなさい」となって、やりたいことを見つけられていないむすめにはなんだか味気ない感じがする。
おそらく「ふーん」くらいしか返事をしない気がする。
娘の琴線に触れるような説得材料は、まだまだ模索していくべきかもしれない。