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本の紹介
かの有名な台湾IT大臣、オードリー・タンさんの著作です。
日本政府は初動の遅さについて指摘されておりますが、
台湾では早めの対策やマスクの在庫アプリなどの施策が功を奏し、コロナの封じ込めにたことが世界的に評価されています。
IT大臣のオードリーさんは、天才プログラマーとしても有名で台湾の画期的な政策の実現に尽力されているそうです。
わたしはオードリーさんをマスク在庫アプリで初めてお名前を知りました。
このマスク在庫アプリは世界でも注目され、この1年はたくさんのインタビューを受けるようになったそうです。
そんなオードリー・タン氏の初の著作です。
わたしが一番興味深いとおもったところ
台湾政府のさまざまなコロナ対策について、ときには茶化したようなニュースも報道されていましが、台湾政府の市民への真摯な対応がときには過剰だと取られてしまったことが原因なんだろうと思います。
しかし振り返ってみれば、それらは全て政府がコロナ危機から市民を守るため、また、信頼を得るための行動だったのだとわかります。
台湾政府のコロナ対応
「ピンクのマスクを学校にしていった男の子が同級生からバカにされた」という投稿をみた閣僚全員がピンクのマスクで記者会見に臨む姿は。少々やりすぎではないかと思っていました。
世界的なマスク不足のなか、色が何色であっても、それを理由にバカにする同級生なんて、スルーすべきだと思っていたのです。
しかし、台湾政府高官たちはこの投稿でさえも真摯に受け止めて、自分たちがピンクのマスクをすることで対処していました。
それが台湾全土にわたって広がっていき、法人もまきこんで「ピンクのマスク支持運動」とも呼べるものになっていったそうです。
ピンクのマスクをばかにした子供たちをだれも相手にしていなければ、もしかしたらいじめに発達したかもしれない事案を、おとながとくに政府の高官たちが真剣に対処する態度を見せることで、こどもたちに「ちゃんとみているよ」というメッセージを伝えられたのではないだろうか?
そして、それをみた大人たちも政府は自分たちのことを真剣に考えて努力してくれいるのだ、というメッセージを受け取ったのではないでしょうか。
台湾にとってコロナ禍は「雨降って地かたまる」ということわざそのままだったのだろう。
なにか政策をきめるとき、弱い人にやさしいものであることが望ましい。
たとえば「多目的トイレ」は車いすで入れることを重視して設置したものではあるけれど、トランスジェンダーの人のように男女どちらのトイレを使いづらい人にもやさいいものになっています。
開かれた政府
台湾には市民が自由に政策について、また政府への要望をつたえることができる掲示板が存在し、市民が自由にアプリを開発し、それを発展させていける仕組みができているそうです。
このマスク在庫アプリも、最初は善意の市民が開発した地図アプリにマスクの在庫を書き込んでいくことから始まったそうです。
市民の悩みを市民と政府が協力して解決できるシステムがすでにあることにとてもうらやましくなりました。
まとめ
この本はいままで聞いてきたオーディオブックのなかで一番きき終えるのに時間がかかりました。それは話が難しいからではなく、台湾政府とオードリー・タンさんの努力と成果を聞くことがすこしつらかったからです。
台湾政府にできて、日本政府にできていないこと、台湾の国民にできて日本国民にできていないこと。これらを突き付けられている気がしてつらかったためです。
しかし、台湾には台湾の、日本には日本のやり方がきっとある。いまの日本ができていないことでも、台湾のよいところを参考にしてなにかできることがあるかもしれない。
それに、台湾政府も「日本をまねているところもある」という言葉があって、すこし救われた気がします。
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